ブロックチェーン技術は、どのように広告業界で活用できるか?
最近になりネットやニュースでよく目にする「ブロックチェーン」。Forbesの調べによると世界の銀行の15%、金融市場機関の14%が数年以内ブロックチェーン技術の導入を予定しているという調査報告があります。
ブロックチェーンの技術がベースになる仮想通貨が知られるようになったのは、Bitcoin(ビットコイン)からになります。Bitcoinの初期に投資した投資家が大幅に利益を得たことから、世界中に知られるようになりました。
ブロックチェーンとは、分散型台帳や分散型ネットワークと呼ばれトランザクション(取引履歴)を分散共有し監視し合うことで、取引の正当性を担保する仕組みで、P2P(ピアツーピア)と言います。この技術の特徴は、第三者を介入することなくユーザー同士が直接取引できると ころです。
仮想通貨は、特定の条件を満たさないと誰も変更出来ないように記録されているため、オンライン決済よりも安全と言われています。つまり、不透明で不正確な取引は出来ません。
ブロックチェーン技術を簡潔に解説すると以下のステップになります。
● ステップ1:トランザクション実行のためのリクエストがされる。
● ステップ2:トランザクションは、P2Pのネットワークに送信されコンピューターが認識する。
● ステップ3:ネットワーク上で認識されたことにより、トランザクションが有効になる。
● ステップ4:有効化されるとトランザクションは台帳のブロックに記録される。トランザクションを一つのブロックにまとめて、ブロックをチェーンのように繋げて保存する。
● ステップ5:新しく記録したトランザクションはブロックチェーンに追加され、追加後は変更できない(このステップが今までと大きく異なります。一度データがチェーンに追加されると、改ざんすることはできません)。
● ステップ6:トランザクション終了。
※台帳は取引履歴を記録するファイル
ブロックチェーンは分散型台帳であり、P2Pネットワークでトランザクションを一つのブロックにまとめブロックをチェーンのように繋げて保存する技術です。
国境関係なく世界中の送金したい先に正しい金額を送金することができます。他の技術と大きく異なるのは、銀行のような中央集権を通す必要がないことです。この点が、他のビジネスにも活用でき、ビジネスの新しい扉を開くチャンスがあることを示しています。
ブロックチェーン技術が今後広告業界に与える影響は?
前述した通り、ブロックチェーン技術によるトランザクションは他の業界でも応用できることは確かです。世界中の広告主がブロックチェーン技術がデジタル広告に応用できないかに挑んでいます。
ブロックチェーン技術によりデジタル広告が安全で効果的、そして、透明性を高めユーザーエクスペリエンスの品質を上げられるチャンスがあるからです。アドテク業界で、ブロックチェーン技術を活用して将来的に可能であろう利用方法を3つあげてみます。
1、 フラウド防止
アドフラウドは、沢山のタイプがあります。広告主は、種類の異なるフラウドにどのように対策していくかが課題となっています。フラウドの中でも一番大きな問題となっているのはエコシステム上のボットです。ボットは、今とても巧妙な動きになり、動作は人為的かボットかと判断が難しくなってきています。この為、広告主は結果を測定する際に不正確な結果を得てしまうこともあります。しかし、ブロックチェーン技術によりトランザクションが高い透明性を通して行うことができれば、悪質なボットを阻止する大きな一歩となります。
2、 安全と信頼
データのセキュリティは、今年新しい段階にきています。ブロックチェーン技術によるトランザクションは承認されない限り、その先に進まないシステムです。この技術が広告配信にも活用できれば、広告主の目標とするユーザー情報の保護を向上させることができるようになるでしょう。
3、 広告枠売買の合理化
沢山の人がデジタル広告に関与してアドテク業界は成り立っています。実際、デジタル広告は配信に関与するサードパーティやプラットフォームの数が多いため、コストの高い配信になります。ブロックチェーン技術を導入することにより、デジタル広告に関わる仲介を少なくしコスト削減できることが期待できます。
ビットコインは世界最初の仮想通貨で、このベースとなるブロックチェーンという最新のテクノロジーはこれから様々な場面で活用されていくでしょう。広告主にとっては広告の分析、そして、配信の方法を変えていく大きなチャンスがあります。日々の変化とともに急速に成長しているアドテク業界でも、ブロックチェーン技術を活用した最初の一歩を踏み出すことが価値の高い前進になっていくことでしょう。