米国のインフルエンサーマーケティングの現状
広告ブロッカーの利用が30%増えたことと、ソーシャルメディアに費やす平均時間が長くなったことは関係があるのでしょうか?この2点は直接的な関係はありませんが、どちらもデジタルネイティブ世代が信頼できるコンテンツを求めている重要なポイントになります。
今後アドブロッカーの使用されている環境の中で、可能性の高いオーディエンスにリーチするために多くの広告主がインフルエンサーマーケティングに注目しています。実際、62%のマーケターが2018年のインフルエンサーマーケティングの予算を増やすと回答しています。
なぜ、今インフルエンサーマーケティングが注目されているのでしょうか?
インフルエンサーマーケティングは、人気のある有名人やYouTuberを起用してブランドを宣伝します。インフルエンサーは、数千から数百万のフォロワーを持ち、彼らのライフスタイルも含めて得意とする分野の広告をします。
様々なチャンネルを使いブランドメッセージを管理し、継続させていくことはブランドマーケティング担当者にとって容易なことではありません。また、消費者とブランドの強い関係性を維持するには、消費者が興味を引くコンテンツが必要になります。
米国でのインフルエンサーに関する調査データをいくつかご紹介します:
- 25才~34才の43%のユーザーは、Facebookでインフルエンサーをフォローしている。
- 19才~34才の53%のユーザーは、インスタグラムでインフルエンサーをフォローしている。
- 25才~34才の37%のユーザーは、企業が発信するブランド広告よりもインフルエンサーの意見を参考にしている。
- 42%のオーディエンスが、インフルエンサーが紹介した製品やサービスを試したことがある。
- 26%のオーディエンスが、インフルエンサーの紹介した商品を購入したことがある。
- 100万~2000万人のフォロワーを持つインフルエンサーは、有名人やハリウッドスターよりもエンゲージメントが高く、特化したジャンルをもつインフルエンサーは特に大きな利益を生む。
- 16才~34才の75%のインスタグラムユーザーは、ファッションに関するインフルエンサーをフォローしています。
- 72%のユーザーが、ライフスタイルに関するインフルエンサーをフォローしている。
- 70%のユーザーが、美容に関するインフルエンサーをフォローしている。
- 63%のユーザーが、旅行に関するインフルエンサーをフォローしている。
インフルエンサーマーケティングのケーススタディ
インフルエンサーとともにデジタル広告キャンペーンを行う場合、重要なポイントがいくつかあります。
1, 信頼性を維持する
インフルエンサーはその道のプロであり、フォロワーからの信頼を得ています。ブランドがインフルエンサーと似たような戦略を立てることはお勧めできませんし、また、インフルエンサーのクリエイティブを制限しない方が効果的に広告できます。インフルエンサーとともにブランドが宣伝する効果的な方法は、フォロワーからの声を大切にすることです。
2, どのオーディエンスに集中するか
インフルエンサーのスタイルがブランドのメッセージと一致しても、彼らのオーディエンスとは一致しないかもしれません。どのオーディエンスにリーチすると効果的なのか、十分な注意を払う必要があります。オーディエンスの選定には、HYPRのようなツールは有効的に利用できます。
3, 競合をよく知る
多くの企業がインフルエンサーを必要としています。インフルエンサーが競合他社と類似したキャンペーンを行っていないか、キャンペーン期間が重なっていないか等を事前チェックしましょう。
4, ブランドに一番合ったインフルエンサーを見つける
ブランドに合ったインフルエンサーを見つけるには、すでにそのブランドを利用しているインフルエンサーとコラボすることです。ここでも、HYPRやMention、Google search等を利用し、すでに商品やブランドに興味を持っているブロガーやソーシャルメディアのインフルエンサーを探し出すことができます。
5, マイクロインフルエンサーを活用する
マイクロインフルエンサーとは、特定のコミュニティやジャンルで強い影響力を持つインフルエンサーです。マイクロインフルエンサーは、エンゲージメント率を60%向上することが出来るという調査結果もあります。また、マイクロインフルエンサーによるキャンペーンは一回辺りのエンゲージメントが通常より6.7倍になり、平均的な消費者より週で22倍コメントが増えます。マイクロインフルエンサーは、ブランドの強力な味方になり、費用対効果もよくクオリティ高いユーザーを獲得します。
6, スポンサードポストを明確にする
FTC(米国連邦取引委員会)の規定で、インフルエンサーが広告としてブランドや商品を紹介する際に「スポンサードポストです」と明確にする必要があります。
インフルエンサーマーケティングの測定
効果が期待されているインフルエンサーマーケティングですが、効果測定はまだ広告主にとっては課題となっています。しかし、米国で測定の際に重要とされているのは以下の三点です。
1, コードとリンク
インフルエンサーの投稿から販売またはエンゲージメントに繋がった場合、インフルエンサーのコードやユニークリンクでトラフィックを判断できます。
2, エンゲージメント&インフルエンサー分析
90%以上のマーケターがエンゲージメントを測定することが一番重要なインフルエンサーマーケティングの指標であると考えています。それには、インフルエンサーが、オーディエンスのインサイト、エンゲージメント、インプレッション、デモグラフィック等が分析できる必要が あります。企業は、インフルエンサーとの透明性を保つように努めています。
3, 日常の声を聞く
リンクやコードからの分析も大切ですが、ユーザーから日常の声を聞くことは重要です。オーディエンスの感情的なポイントはデータからは分かりません。ブランドが実際どれぐらい周知されているのか、キャンペーン全体の影響を把握するにはユーザーの日常の声を調査しています。
まとめ
今年は、インフルエンサーマーケティングがさらに注目されていきます。インフルエンサーが企業ブランドの強みとなるかは、広告戦略次第です。
エンドユーザーとの距離が近いインフルエンサーマーケティングは、データから読み取る結果を理解し、フォロワーの声を大切にして消費者との信頼関係を築くことが重要です。