アドイノベーション株式会社

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中国オンライン動画サービスの過去と現在
【前編】食うか食われるか

2019.06.24

動画配信サービスといえば、皆さんがすぐ頭に浮かぶのは恐らくYouTube、Netflix、Amazon Prime Video, Abema TV、Huluなどがあるでしょう。

しかし、これらのグローバルスタンダードが全く通用しない巨大市場があることを皆さんご存じだろうか。そう、それが近年インターネットビジネスで急成長を果たした中国だ。

中国インターネット情報センター(CNNIC)によると中国のインターネットユーザー数は2018年12月時点で8億2,851万人に達し、インターネット普及率は59.6%だという。

最も成長が著しいのは、モバイルを使用してインターネットに接続する人の数は前年から6,433万人増加して8億1,698万人となり、全インターネットユーザーの98.6%が携帯電話でインターネットを利用していることになる。

参考サイト:https://it.srad.jp/story/19/05/17/0449242/

様々なインターネットサービスが登場する中、今回は主に中国の動画配信サービスの過去と現在について紹介したいと思う。

スマホの普及により、オンライン動画配信サービスが爆発的に成長を遂げた、中国の動画配信サービスは、10年以上続く動画共有サイトの陣取り合戦を続けて、いま現在も進行形とも言えるでしょう。

サッカーのワールドカップ放送権にとどまらず、合併や資金投入合戦などさまざまに形を変えて繰り広げられた戦いに、これまで400社超が参戦した。

そして現在、勝ち残ったのはやはり三大IT企業「BAT (バイドゥ、アリババ、テンセント)」だ。

その歴史は2005年までに遡ることになる。

中国動画サイト元年~2005年

‐2005年2月、初めてのTVオンラインサービス「PP視頻(PPTV)」が誕生。

‐2005年4月、中国の動画共有サイトと言えば必ず名前の挙がる「土豆網(Tudou)」も誕生。

‐さらに、同年4月に「56網(56.com)」が誕生。

56網」は中国の動画サイトに多いドラマやアニメなどTV番組の転載ではなく、一般ユーザーによる投稿動画を所謂UGCサービスだ。ただし、2008年6月に関係当局から業務停止の措置が下り、サイトは1カ月間の閉鎖を余儀なくされる。理由は諸説あるが、正式な営業許可を取得していなかったからだと言われている。この事件をきっかけに、中国の動画サイト業界は「土豆網」とその後誕生する「優酷網(Youku)」のツートップ時代に突入する。

2006年10月、Googleが世界最大の動画共有サイトYouTubeを買収さしたニュースを皆さんまだ覚えているのでしょうか?それと同じ年、2006年から中国の動画サイトは爆発的成長を果たし、雨後の筍のように約400以上のサービスが登場した。

中国動画配信サービスの戦国時代~2006年

‐2006年5月、「六間房(6.cn)」がリリースされ、一時期、中国国内最大の動画共有サイトとなる。

‐2006年6月、「酷6網(KU6.com)」がリリースされる。

‐2006年12月、「優酷網(Youku)」がリリースされる。

その後、アニメオタクを主要ターゲットとした二次元動画共有サイトが登場。

※日本のニコニコ動画のように、いずれも再生中動画の時間軸に沿ってユーザーがコメントを書き込み、表示させる機能を売りにしている。

‐2007年6月に、リリースした「AcFun弾幕視頻網(AcFun)

‐2009年6月、リリースした「哔哩哔哩(bilibili)(ビリビリ動画)」だ(※bilibiliと改称し たのは2010年1月)。

金融を含めての市場環境により、大きな変化が起きる。~2008年

2008年、リーマン・ショックを発端に世界が経済危機に陥る。各動画サイトは深刻な資金難に陥った。「酷6網」は、サービス存続のために2009年7月、ゲーム開発企業の盛大互動娯楽(シャンダ・インタラクティブエンターテインメント)の傘下に。

同じく、金融危機のあおりで影響をうけたのが「PP視頻」。創業者姚欣は創業メンバーを切り捨て、自身も無給で働くことでなんとか倒産は免れたものの、再び4000万ドルを調達し、何とかつないたが、最終的に2013年「PP視頻」は蘇寧雲商グループ(現在のSuning.com Co)、弘毅投資と資本提携を行うことに。

この時期、各動画サイトは日々生き抜くことで精いっぱいで、事業縮小、大規模なリストラ、大幅な給与削減によってドラマのようなストーリを数多く生んだ。多くのサイトが吸収合併を繰り返し、倒産したり、上場したり、様々なエンディングを迎えたが、最終的に勝ち残る勝者は…

(後編に続く)