アドイノベーション株式会社

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中国オンライン動画サービスの過去と現在
【後編】生き残る道は?そしてトップの座を勝ち取るは?

2019.07.17

前編に続く後編では2008年金融危機の後、買収合併を繰り返しながら上場ラッシュを経て、現在までを振り返ります。

動画サービス生き残りのキーは「資金力」と「コンテンツ」

動画サイトの運用はなんといっても、資金が重要だ。

2018年に中国で放映されたTVドラマ「如懿伝(じょいでん)」は1回の放送権料が1500万元(約2億5000万円)にのぼったことで話題となった。湯水のように資金を注ぎ込むことが、動画コンテンツ業界を生き抜く唯一の道だ。

2008年、 金融危機を生き抜いた「優酷(Youku)」が2012年最大のライバル「土豆網(Tudou)」を買収。

2016年、 Alibabaが「優酷(Youku)」を完全子会社化。

2007年、 日本のアニメや韓国のドラマなど多数配信し人気を博した動画共有サイト「迅雷看看(Xunlei)」は資金難に直面し、2015年北京响巢国際伝媒有限公司に全株を売却。動画配信サイト「楽視網(Le.com)」も巨額の負債を抱え、2017年に「楽視網(Le.com)」代表が取り調べを受け身柄を拘束される。

2009年、 「酷6網(KU6.com)」がゲーム開発企業の盛大互動娯グループ会社になる。

2014年、 「56網(.56.com)」 が捜狐(TV.Sohu.com)に買収される。

2010年、 「百度(Baidu)」が資金を投じて、新たな組織で新たな動画配信サービス「愛奇芸(iQiyi)」を立ち上げる。これが中国版のNetflixで、のち中国の三大動画サービスの一つになる。

2011年、 「騰訊視頻(Tencent video)」が正式にリリースされる。

冒頭で、動画サービス生き残りのキーは「資金力」と「コンテンツ」と記載したが、それを頂点に押し上げるのはやはり視聴者(ユーザー)だ。「騰訊視頻(Tencent video)」の膨大なユーザー数は、「騰訊視頻(Tencent video)」を中国最大の動画サービスの成長へと導く。

その後、2012年3月、土豆網の全株式を優酷が取得し両社が合併、「優酷土豆(YoukuTudou)」が誕生した。中国動画サイトの二大大手が合併という衝撃的なニュースは当時、大きな話題となった。

2010年~動画サイト上場ラッシュ経てトップになったものは?

2010年にはとりわけ動画サイトの上場が多く、ざっくり時系列でみると

・2010年6月― 「酷6網(KU6.com)」がNASDAQへ上場。

・2010年8月― 「楽視網(Le.com)」が中国版NASDAQと言われる 創業板(ChiNext)に上場。

・2010年12月― 「優酷(Youku)」がニューヨークで上場。

・2011年8月― 「土豆網(Tudou)」がNASDAQに上場する。

動画サイトは10年に渡って、熾烈な争奪戦を繰り広げ、結局2019年現在はTencent傘下の「騰訊視頻(Tencent video)」(6.5億ユーザー数)、百度傘下の「愛奇芸(iQiyi)」(6億ユーザー数)、アリババ傘下の「優酷土豆(YoukuTudou)」(4.6億ユーザー数)が中国の三大動画サービスになり、三社鼎立の局面になり大手三社がトップの座を守っている。ビジネスモデルとしては、会員制となっており、主に定額会費と広告収入が収益源だ。

グローバルスタンダードが通用にくい中国市場だが、その良し悪しは一概には言えないようだ。これらの動画サービスは13億人口を持つ中国の自前のメディアとして、現在も成長を続け、莫大な利益を生み出している。

一方で、日本の現状を見るに、日本国内のインターネット広告では海外メディアが50~70%占め、この状態を変える必要があるのではないかと考えさせられる。