アドイノベーション株式会社

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ECサイトの広告ビジネス1
~Amazon、ZOZO、楽天、ヤフーの広告ビジネスの現状をまとめました~

2018.11.29

第1弾:ECサイトにおける広告ビジネスの現在

アメリカにおけるAmazonの今年の広告収入は、前年比144.5%増の約46億ドル(約5200億円)となる見込みで、Google、Facebookに続き、デジタル広告収入シェア第3位となり急拡大を続けています。

日本では、ファッションECサイトの「ZOZOTOWN」や、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」の運営を行うZOZOが中期経営計画で2021年までに広告事業は100億円の売り上げを目指すと発表。グループ会社のZOZOテクノロジーズは、今年10月にインターネット広告を手掛けるデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)と戦略的パートナーシップも締結しました。楽天も昨年7月に電通との合弁でデジタル広告会、楽天データマーケティングを設立し、日本の広告市場のトップを狙っています。また、ヤフーは、2016年度第3四半期の決算説明会で広告収入が58億円に達し、3年間で約5倍に成長したと報告。このように、各企業いよいよ本格的にECサイトの広告ビジネスに力を入れ始めています。

今回は、5回に分けてECサイトの広告ビジネス全般、Amazon、ZOZO、楽天、ヤフー、各企業の広告ビジネスの現状についてご紹介したいと思います。

第1弾はECサイトの広告ビジネス全般を取り巻く現在の状況についてまとめました。

まず、なぜこんなにもECサイトにおける広告ビジネスが今注目を集めているのでしょうか?それは、ECサイトと広告ビジネスの相性がもともと抜群に良いためです。Google、Facebook、ECサイトがそれぞれ所有する主なデータの種類を見てみましょう。

  • ・ Google:検索に関するデータ
  • ・ Facebook:ユーザー属性+興味・関心に関するデータ
  • ・ ECサイト:ユーザー属性(質の高いIDデータ)+興味・関心に関するデータ+実際の購買データ

これだけ見てもECサイトでは豊富なデータを活かし、より適切なターゲットに向けて、より適切なアプローチができそうです。アドブロックなど広告を嫌う消費者が増える中、大きな効果が期待できそうですね。

さらに、現在ではユーザーの行動もオンラインとオフラインをまたがって大きく変化しています。

  • ・ 過去:TVCMやチラシなどで商品を認知⇒近くのお店で購入
  • ・ 現在:
    • 実店舗でウィンドウショッピング⇒ECサイトで購入(ショールーミング)
    • 実店舗で商品を見つける⇒ECサイトで口コミ確認⇒店舗またはECサイトで購入
    • ECサイトで商品を見つけて詳細や口コミを確認⇒実店舗で購入

このようにオンラインとオフラインをまたいだユーザーの行動が増える中で、例えば、クレジットカードを提供するAmazonや楽天などは、そのクレジットカードがオンライン・オフライン両方で使用されることにより多くのユーザーデータを保有することができます。

2018年8月にニールセンが発表した調査結果によると、日本の18歳~64歳の人口の56%が「Amazon」または「楽天市場」を利用しています。18歳~24歳の女性は、男性よりも「楽天市場」、「ZOZOTOWN」、「メルカリ」、「ラクマ」の利用率が高いという結果も出ています。さらに、「Amazon」、「楽天市場」の利用者の70%以上がスマートフォンのみで利用していることも明らかになりました。ちなみに、この調査において2018年6月時点のPCとスマートフォンの重複をのぞいた「トータルデジタル」でのオンラインショッピングサービスの利用者は下記の通りです。

  • 1位:Amazon 4,079万人
  • 2位:楽天市場 4,028万人
  • 3位:Yahoo!ショッピング 2,645万人

楽天が僅差でAmazonに続いて2位になっています。

オンラインショッピングをする人が増えるにしたがい、ECサイトの広告ビジネスが拡大していくのは自然の流れといえそうです。

第2弾では、Amazonの広告ビジネスの現状を詳しく見ていきます。